2017年10月7日土曜日

井上雅彦氏に初インタビュー!於『ダ・ヴィンチ』11月号


本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』11月号(KADOKAWA)が発売されました。




日本ホラー小説界の雄、井上雅彦さんにインタビュー
先ごろ刊行された待望の短編集『夜会 吸血鬼作品集』(河出書房新社)について、1時間以上にわたりお話をうかがってきました。


井上先生とはライターを生業とする前からご縁があり、上京して以降も文学賞のパーティなどで時々お目にかかっておりましたが、こうしてインタビューするのは初めての経験。
  

インタビューの席上で本人にもお伝えしたのですが、わたしは昔『ダ・ヴィンチ』でやっていた「井上雅彦の異形対談」 という企画が大好きで、毎号楽しみにしていたのですね(『夢魔たちの宝箱』としてメディアファクトリーより単行本化)。
あれを読んで、ホラー小説っていいなあ、とあらためて思ったところがありますので、『ダ・ヴィンチ誌上でで井上さんにインタビュー(しかも担当さんは「異形対談」と同じS氏)することができたのが、非常に嬉しかったわけです。


同号ではデビュー作『颶風の王』がヒットした北海道の新鋭、河崎秋子さんにもインタビュー。
最新作『肉弾』(KADOKAWA)は本州の若者が北海道の原生林でサバイバルするネイチャー・ロマン。
父親と北海道に狩猟にやってきた主人公が、豊かな自然のなか自分を見つめ直してゆく……そんなよくある小説なのかなと思って読んでいくと、わわわ、予想をはるかにうわまわるシビアな展開に。大自然との血みどろの決闘を通して、解放されてゆく主人公の精神。戦うことでしかいきられない異形の動物たち。要注目の作です。





続・宇宙から来たツタンカーメン


例によってタイトルは意味なし。
人間椅子のニューアルバム『異次元からの咆哮』が届きました。




このジャケ、何かに似てるなー。何だっけかなー。
しばらく考えて分かりました。
そうだ、三上寛のベスト盤にそっくりなんだ。




両者とも青森出身で、ねぶたデザインだから当たり前なんだけどさ。
それにしても似てるなー。
ついでに言うとこれにも似てるなー。




青森のりんごジュースは味が濃くて好きです。
さて。
明日は渋谷のタワレコまで、開田裕治展を見に行ってまいります。


2017年10月2日月曜日

怪老人、中野杉並を跳梁す


近年は年齢とともに記憶力がめっきり衰えてきまして、今朝あったことも夕には思い出せない始末。これで書評家なぞ務まるのかしらん、と空恐ろしくなったりもしますが、そこはちびっこ空手初段を誇る怪老人。気合いでカバーするしかありますまい。


で。
今朝あったことも夕に忘れるくらいなので、昨日一昨日のことなど去年も同じです。忘れぬうちに日記を付けておきませう。


■怪老人、快獣に遭うこと。
9月最後の土曜日、快獣ブースカに遭うべく、一家で中野ブロードウェイへと出かけてきました。円谷プロが生んだ愛すべきキャラクターが、ブロードウェイの異色アパレルショップ「墓場の画廊」にやってくると知ったのは10日ほど前のこと。3歳になったばかりの息子・雪男(仮)は快獣ブースカの大ファンで、母親のDVDボックスをねだってよく再生してもらっています(ブースカが大ちゃんのために遊園地を作るエピソードがお気に入り)。これは往かねばなるまいよ、と朝から出かけてきたわけです。




正午過ぎ、「墓場の画廊」に着。すでに整理券とブースカグッズを求める人々でなかなかの混雑でしたが、無事に整理券をゲット。これがなければブースカと写真撮影ができないのです。
時間までブロードウェイ内を散策。みるみる特撮偏差値をあげてゆく息子に若干引き気味になりながら、おもちゃ屋をめぐります。14時からついに撮影会がスタート。整理番号順にシャッターを下ろした「墓場の画廊」店内に呼ばれまして、そこで愛らしいブースカ(意外にでかかった)の着ぐるみに対面! わたしも並んで写真を撮ってもらいました。その写真を見た人によれば、平素はムッと険しいわたしの表情も、何時になくほころんでいたということです。バラサ、バラサ。


(墓場の画廊にはブースカグッズがいっぱい)


■怪老人、夜道で経を誦すること。
10月初日の日曜日には、読まなくなった本を売るべく西荻窪の「古書音羽館」へ。先日のデニス・ホイートリー購入をきっかけに始めた書庫整理。海外文学などを中心に数十冊、処分することにしました。
スクーターの荷台に本をがっちりくくりつけ(荷崩れしたら悲惨)一路、西荻を目指します。国分寺の我が家から西荻までは、五日市街道を走って1時間ほど。気晴らしにはちょうどよい距離なのです。


本を査定してもらっている間、駅周辺の商店街をぶらぶら。
駅北口すぐの食料品店「喜久屋」で安くて美味しいノンオイルのレーズンを、和菓子の「喜多屋」では豆大福とどら焼きを購入。西荻は子供ができるまで住んでいた街で、楽しかった想い出がたくさんあり、いまだにこうして理由をつけて散歩に来てしまうのです。本の買取をいつも音羽館にお願いしてしまうのも(査定額がいいというのもあるけれど)、西荻に来ること自体が楽しいからなのですね。
独特のムードがある南口アーケードを歩いていたら、西荻名物の「ピンクの象」がすっかり新しくなっているのを発見。以前はゆるさ全開の張りぼて人形だったのに、こんなに立派になられていたとは……。




夕方には査定完了の連絡をいただき音羽館へ。受けとったお金を元手に、さっそく店内の棚を物色していたら、若い男性店員さんに声をかけられました。
「あのー、どうしてわざわざ国分寺から売りにこられるんでしょうか?」
店員さんが疑問に思うのはもっとも。国分寺にも古本屋さんはあるのに、紙袋2つ分の重たい荷物をはるばる運んでくる人物は、たしかに怪しいかもしれません。突然人から話しかけられることがあまりないので、かなりシドロモドロになりつつも、右のような事情を説明しました。納得してもらえたかしら。


往きは渋滞していた五日市街道も、日が落ちるとスムーズに流れます。運転しているとつい大声で歌いたくなるのが人情。当初は歌謡曲など歌っておりましたが、そのうち「般若心経」が案外、バイクのエンジン音とマッチするということに気づいて、玉川上水沿いの夜道を高らかに読経しながら走り抜けました。お坊さんの幽霊になったような気がして、楽しかったです。


というわけで。
一年でもっとも美しく、心躍る10月がスタートしたのでした。他の11箇月はともかく、この時期だけは元気です。


 (喜多屋のどら焼きは初。生地がふわふわ、ウマい!)

2017年9月29日金曜日

柚月裕子さんにインタビューしました。於『ダ・ヴィンチ』10月号


やや報告が遅くなりましたが。現在書店に並んでいる『ダ・ヴィンチ』10月号(KADOKAWA)にて、柚月裕子さんにインタビューさせていただきました。
新刊『盤上の向日葵』(中央公論新社)について。





同作は藤井四段の活躍や『3月のライオン』であらためて世間の注目を集めている、将棋界を題材にした、長編ミステリーです。


財界の寵児として知られた青年は、それまで築き上げてきた地位をなげうち、プロ棋士として再スタートを切ります。鬼神のような戦いぶりでめきめきと頭角を現してゆく青年。その過去には知られざる大きな秘密があった……。


信州を舞台にした情感豊かな物語性、手に汗にぎる対局シーン(駒の動きもリアル!)、壮絶な「真剣師」たちの生きざま、そして松本清張の名作『砂の器』へのオマージュと、読みどころ満載。一作ごとに新たな世界に挑み、最高新記録を更新してゆく柚月さん。
インタビュー記事では取材時のエピソードやキャラクター誕生の経緯、幼いころから親しんできたという将棋への思いについてうかがっています。本編のお供にぜひご一読を。





出てきたついでに近況でも。
今日のおやつは鎌倉紅谷の銘菓、クルミッ子。世に木の実好き(&ドライフルーツ好き)という人種が確かにいて、わたしもその一人なのであるが、クルミッ子はそんな人人にはたまらない愛らしく美味しいお菓子なのである。ほろりと崩れる焼き菓子でサンドしたクルミとキャラメル。その絶妙の食感と甘さ、ほろ苦さ。類似のお菓子はあちこちで売られていますが、ここのは包装もふくめてパーフェクトではないかと思われるのです。


鎌倉に行かなければ手に入らないかと思いきや、これは池袋に職場のある友人が見つけて買ってきてくれました。





作家の黒史郎さんから新刊『ダンジョンズ&ガールズ』(プラスマインド)をお送りいただきました。
女子高生が主人公のダンジョンもの。
わたしはゲームの世界に疎いんですが(アナログも電子も)、そこは職人黒さんのこと、グロくて、幻想的で、マニアックで、わたしのようなゲーム音痴が読んで読んでも楽しめる、詳しい人なら二倍も三倍も面白い、そんな作品に仕上がっているに違いありません。さっそく読ませていただきましょう。
この場を借りてあらためてお礼を。










2017年9月18日月曜日

魅惑のルート4126


秋休みをとって静岡の伊東温泉に行ってきた。
伊東にゆくならハトヤ。
というわけで、野坂昭如のコマーシャルソングでおなじみ、ハトヤに宿泊してきたのだ。



 
 ハトヤは国鉄の伊東駅前から車で5分ほど。山すそに建つ巨大な温泉ホテルである。
往年のテレビCMが言うところの「近代建築の粋を集めたデラックスな」造りはほぼ当時のまま残されており、すなわち外観も内装も昭和レトロ感が満載。めくるめくタイムスリップ気分を味わえる。






とりわけフォトジェニックなのが、本館と別館をつなぐ渡り廊下であろう。ご覧のとおり、これはほとんど特撮映画のワープ場面で、嬉しくてつい何度も駆けまわってしまった。うわーい。




(外から見るとこんな感じ)


オフシーズンの平日ということもあって宿泊客はさほど多くなく(ほとんどいないと言ったほうがよいか)、迷路のように巨大なホテルをほぼ独占状態。
大浴場の帰りにちょっと人気のない廊下に足を踏み入れてみたりして、『シャイニング』ごっこを楽しむこともできた。誰もいない温泉ホテルの宴会場というのは、夜覗くとゾクゾクするものである。
温泉は熱くて気持ちがいいし、遊戯コーナーにはピンポン台があったし、可愛いハトグッズもたくさん売っているし、大満足のお宿でした。ぜひまた泊まりたい。




翌日は城ヶ崎海岸を見物。
長い吊り橋と灯台で有名な景勝地であるが、その橋が目に入ったとたん思わず「おやややや」と声をあげてしまった。


白石晃士監督に『オカルト』という作品がある。異界からの声に人生を左右された貧しいフリーター青年を、監督が密着取材で追いかけたフェイク・ドキュメンタリーの傑作だ。劇中で一連の出来事のきっかけとなったのが、観光地で起こった通り魔事件。そのロケ地がまさにここ、城ヶ崎海岸だったんですねえ。


(映画でおなじみの吊り橋)

 
吊り橋と岩場の位置関係、異様な気がするほど真っ青な海原など、ロケ地だから当たり前だが映画のとおりである。『オカルト』が大好きなわたしは大いに感動。
そういえば劇中では「妙ヶ崎海岸」と呼ばれていたので即座にピンときそうなものだが、地球の地理に疎いわたしは現地に行くまで気づかなかったのである。
吊り橋ではもちろん「江野祥平ごっっこ」をして遊びました。白石くん、奇跡やで。




続いて伊豆シャボテン公園まで。
この公園はなぜかマヤ・アステカ文明遺跡のレプリカをいっぱい展示しており、『ムー』っぽい雰囲気でにわかにテンションがあがる。






各国のサボテンをたくさん観賞できるほか、カピバラやカンガルーに餌をあげたり、利口な動物のショーを見たり、リスザルのいる島にボートで上陸できたり、ゴーカートに乗れたりし、レストランにはサボテンカレーなんていうメニューもあったりして、大人も子どもも一日楽しめる。もちろん『ムー』は読んでいなくとも大丈夫だ。
で。ふと遠くに目をやるとそこに……ヒドラがいた。




そうだ。
伊豆大室山といえば『ウルトラマン』第20話「恐怖のルート87」の舞台。科特隊のメンバーが大室山をリフトで登るシーンがあったけれど、作中に出てくる高原竜ヒドラの像は、ここシャボテン公園で撮られていたのである。これまた現物を見るまで気がつかず。
像の中はトンネルになっていて、エピソードを紹介するパネルが貼られていました。


というわけで。
妙にホラーや特撮やオカルトにつきまとわれた小旅行であったが、いちばん驚いたのは今回借りたレンタカーに「MDデッキ」がついていたこと、であろうか。
無念!知っていたらMDをいっぱい持参したのに。




 (シャボテン公園で作った寄せ植え)



2017年9月6日水曜日

最近うちに来た本


仕事が一段落したので、映画館で『新感染 ファイナル・エクスプレス』を鑑賞してきた。
ああ、面白かった。
これは非常によくできた災害パニックものだ。
ホラーというより『タワーリング・インフェルノ』とかあの類のジャンルだが、丁寧に描かれた人間ドラマにぐいぐい心を掴まれ、2時間があっという間である。とりわけ主軸になる父娘のドラマには感涙。わたしは昔から「父親とは?」という話に弱いのだ。


ついでに新刊書店をチェック。
『ナイトランド・クォータリー vol.10』(アトリエサード)が出ていたので購入する。こないだ9号を紹介したばかりと思っていたがもう3ヶ月経ったのか。早いな。
カバーを飾るのは森馨氏の可憐な人形作品。
ところで過去の森さんの作品集に、わたしがちらっとだけ出演している、というのは国内では殆ど知られていない事実である。もちろん、海外でも知られていない。





ステファン・グラビンスキ『火の書』(国書刊行会)も出ていたので買う。
国書刊行会といえばアンドルー・ラング『夢と幽霊の書』も欲しかったけど、今日のところはぐっと我慢の子。国書刊行会と河出書房新社の本、月々欲しいものすべて買っていたらそれだけで国家財政が傾いてしまう。まだ月初のうちだしなあ。



 

ついでに古本屋を覗く。
ホイットリー・ストリーバー『コミュニオン 異星人遭遇全記録』(扶桑社ノンフィクション)があったので買う。
エイリアンアブダクションを語るうえでは欠かせないこの本、縁がなくてこれまで読んでいなかった(あちこちのUFO本でくり返し紹介されているので、わざわざ読む気が起こらなかったのもある)。
ご存じない方のために説明しておくと、ストリーバーは映画『ウルフェン』の原作などで知られるホラー作家だが、ある日エイリアンにさらわれたとしか思えない恐怖の体験をした。
その経験を描いてベストセラーになったのが、この『コミュニオン』なのだ。
 



さらに。
旧知の怪談作家丸山政也氏より、最新作『恐怖実話 奇想怪談』(竹書房文庫)をお贈りいただいた。
丸山さんの「奇妙な味」がする怪談はデビュー作来愛読している。ほかにはない硬質さと不可解さがあって好きなのだ。
前作『実話怪談 奇譚百物語』にも、ロンドンの不気味な廃教会や、ビートルズのレコードジャケットの様子で現れた亡霊、火だるまでのたうちまわる人影など、印象的なエピソードがいくつもあった。
今回も読むのが楽しみです。


この場を借りてあらためて御礼を。





明日は休暇で伊東へ行ってきます。
「伊東に行くならハトヤ」、というわけでハトヤに泊まってきます。


2017年9月1日金曜日

【怪老人日乗】 九月某日


片手袋、すなわち片方だけ落ちている手袋を研究している人がいるという事実は、サンキュータツオ氏の著書『もっとヘンな論文』で知ったのだった。
言われてみるとたしかに、路上にはよく片方だけの手袋が落ちている。
今日も落ちていた。


アスファルト手袋くずれ落ちにけり (曾良)





扠。
今日は仕事でSF(すこしふしぎ)の世界に出かけてきたのである。
ピー助がいるなあ。
噫、その奥にはバウワンコ像がいるなあ。
前にも書きましたが、わたしは秘境冒険ものの『のび太の大魔境』が好きなんですよ。
バウワンコ像はファミコンソフト『ドラえもん』にも出てきたような記憶があるが、わたしはファミコンを持っていなかったので定かではない。持っていたのはゲームウォッチのみ。







で。
そうこうしていたらダ・ヴィンチニュースで「新本格ミステリ30周年」特設ページが公開された。
こちらで作品レビューを書いております。現時点で綾辻行人氏の『十角館の殺人』のレビューがアップされているが、近日中にさらに数本あがる予定。


というわけで。
今夜はやや唐突に新本格とわたしの思い出を書こうと思います。


新本格ムーブメントがスタートしたのが今から30年前の1987年。
わたしはその当時10歳なので、残念ながらリアルタイムで『十角館の殺人』を体験した世代ではない。
とはいえ、わたしが大学に入った90年代後半にもまだまだ人気は健在で、いわばユースカルチャーの一部という感じであった。そのあたりは今日のSF、ラノベに近いものがあるだろう。
国文科で同じゼミだったYくんも本格ミステリにはまっていた一人で、「僕、こんなトリックを考えたんだよ」と小声で話しかけてきたけれど、彼はどうしてるんでしょうか。ヴァン・ダインとヘビメタを愛好する好青年だった。

 
当時、京都に住んでいたわたしがミステリ本をよく買っていたのは、近鉄線新田辺駅の開けたロータリーとは反対側にあった新刊書店、同じく新田辺駅の古本屋「一Q」(いっきゅう)、それと伏見大手筋商店街の一番街にあった書店で、もちろん梶井基次郎が爆破した河原町の丸善や、四条通沿いのジュンク堂にも足を運んだけれど、大学の行き帰りに暇さえあれば立ち寄っていたこのあたりの小型店が思い出深い。キャンパス最寄りの興戸駅わきにも古本屋があったのだが、ここは教科書が主だったような記憶がある。


「一Q」では竹本健治の『ウロボロスの偽書』を、P・K・ディックの『ヴァリス』と一緒に買った。ミステリじゃないけど、森由岐子の『魔怪わらべの唄』も買った。ちなみに「一Q」というのは妙な店名だが、新田辺駅界隈は一休さんゆかりの土地で、銅像なんかも建っていたのである。いま検索してみたら、「一Q」はいまだ現役のようで驚く。なお京都にはほかに「コミックQ」という似たような名前の古書チェーン店があって、こちらにもすごくお世話になった。学生時代は京都中のコミックQとレンタルビデオ店が頭に入っていたものだ。


新田辺駅前の新刊書店(名前失念)では、平台で山口雅也の『生ける屍の死』を見つけて、通学の近鉄電車で読んだ。手もとにある文庫本の奥付を見ると97年11月刊の第4版。このカバーを見ていると、薄暗い蛍光灯で照らされた近鉄線のホームが目に浮かんでくる。


と。
思い出話はつきないのであるが、そんなわけだから新本格30周年企画に携わることができて、ちっと嬉しかったのだ。わたしにとって新本格はいわば青春の文学なのである。Yくん、元気かな。


2017年8月29日火曜日

荒俣宏氏にインタビュー 於ダ・ヴィンチニュース


お仕事の告知が続きます。
ダ・ヴィンチニュースにて、荒俣宏さんにインタビュー
7月に刊行された『お化けの愛し方 なぜ人は怪談が好きなのか』(ポプラ社)について、お話をうかがいました。
ダ・ヴィンチニュース、大幅にデザインをニューアルしていて、今なら荒俣さんのインタビューがトップにどーんと出ていますね。なるほど、画像がこういう感じで入るようになったのか。




扠。
一応ホラーの世界で生きている私ですが、荒俣さんに直接お会いするのはこれが初めて。
そりゃあ感慨もひとしおでした。団精二……『怪奇幻想の文学』……『世界神秘学事典』……『本朝幻想文学縁起』……『帝都物語』……「俺はこれから大連に行く」……いろんなことが頭を駆け巡り、テレコのスイッチを押す指が震えました。
『世界神秘学事典』、大学図書館に通って読んだなあ。


『お化けの愛し方』は中国から日本へと伝わった「恋愛怪談」の系譜をたどり、お化けと人間の共存を説いた著者最後の「お化け学」著作物。その探索の手がかりとなったのが、乱歩の「怪談入門」というのが興味深いです。どれだけ日本のホラーに貢献するんだ、乱歩。
さらに詳しい内容についてはインタビューをご覧ください。


インタビュー中に「人間、死期が近づくと賢くなるから」という発言があって、まだまだお若いじゃないですか、と思ったんですが、団精二さんももう古希になられたんですね。噫、月日の経つのは早いもの。


むぎわらしんたろう氏にインタビュー 於ダ・ヴィンチニュース


出ーたんだよ、出たんだよー。
といえば、懐かしの『藤子不二雄ランド』のコマーシャルソングである。
で、『月刊コロコロコミック』で活躍中のマンガ家むぎわらしんたろう氏の新刊『ドラえもん物語 ~藤子・F・不二雄先生の背中~』(小学館)が出た。


これは藤子・F・不二雄のアシスタントとして、その創作を支えたむぎわら氏が、亡き師との日々を回想した実録コミックである。単行本は今年『コロコロ』に掲載され反響を呼んだ作品に書き下ろしを加え、貴重な資料も多数掲載したものだ。
この作品について「ダ・ヴィンチニュース」上でインタビューさせてもらった。


1980年代の子どもはみんなそうだろうが、わたしもご多分にもれずドラえもんファンで、劇場版ドラえもんは『のび太の宇宙開拓史』から映画館で見ていたし(H・R・ハガード風の『大魔境』が好きだった)、『FFランド』も毎週楽しみにしていた。『コロコロ』も読んでいた。
そんなわけなので。
様々なドラグッズに囲まれてのインタビュー取材は、光栄かつ嬉しいお仕事でありました。

 
むぎわらしんたろう氏インタビュー【前編】
むぎわらしんたろう氏インタビュー【後編】


ロングインタビューになったので前後編で掲載。すでにYahoo!ニュース、ライブドアニュースなど、あちこちに配信されているようですね。
藤子不二雄ファンの皆さんはご一読いただけると嬉しいです。





深町秋生氏と薬丸岳氏に取材しました。『本の旅人』9月号


KADOKAWAのPR誌『本の旅人』9月号が発売されました。
巻頭のカラーグラビアは深町秋生さんと薬丸岳さんのツーショット(@廃墟ビル)。
こ、これは……迫力ありすぎですわー。




 同誌上では深町さんの新刊『地獄の犬たち』(KADOKAWA)の刊行を記念して、薬丸岳さんとの対談が行われました。
で、その取材と執筆をさせていただきました。


『地獄の犬たち』は警察小説版『地獄の黙示録』とでもいうべき、すさまじい作品。
普段からあまり「傑作」という言葉は使わないようにしているんですが、この作品に関しては大いに使ってもいいのじゃないかしら。傑作です。


刊行記念対談ではお二人が愛してやまない“潜入捜査もの”について、『地獄の犬たち』の多彩なキャラクターの魅力について、などなどたっぷりと語っていただいております。
お二人のファンの方はぜひどうぞ。ヤバめな写真も必見です!