2017年7月9日日曜日

『ダ・ヴィンチ』8月号で道尾秀介さんにインタビュー!


本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』8月後(KADOKAWA)が7月6日発売された。




今月の特集は川原泉、プロレス、住野よるの3本柱。
わたしはいずれも詳しくないので特集には関わっていないが、新刊インタビューのページで道尾秀介さんに新刊『満月の泥枕』(毎日新聞出版)についてインタビューさせていただいている。




『満月の泥枕』は、大胆な構成(中盤あたりでがらりとトーンが変わる。まるで乱歩の『猟奇の果』!)と、緩急自在の語り口が魅力の人情ミステリーだ。東京の下町に住む主人公たちが、ひょんなことから奇妙な事件の当事者になってゆき、それと同時に停滞していた人生も動き始める。


インタビューではそうした作品の特色についてあれこれと質問をし、その都度丁寧にお答えいただいた。その肉声をどれだけ記事に反映できたかは心許ないが、一読いただけると幸いである。合掌。





2017年7月8日土曜日

BIBLIOPHILICのブックストッパー


おお、壊れてしまった。
ブックストッパーが壊れてしまったのである。





ものを書く機会の多い人なら共感していただけると思うが、書籍や雑誌を参照したり引き写したりする際に、「このページがもっと開けばいいのに!」と腹立たしく感じることがある。


本というのは放っておけば閉じる構造になっているから、参照したり引き写したりしていると、一度や二度は「ぺろん」と情けない音を立てて、何事もなかったように閉じてしまう。
これがなかなかにストレスなのである。


携帯電話(ガラケー)でページを挟んでみたり、パソコンの縁でページの隅を押さえてみたり。いろいろ工夫はしてみたのだが、根本的な解決にはつながらない。油断したころにまた「ぺろん」となって、両目から火花が噴き出す。
とくに難物なのが冒頭や結末部で、重しをしてもすぐに浮き上がってしまうのだった。


どうにかならないものか。


そんな時にたまたま出会ったのがこのブックストッパーであった。5年ほど前のことである。場所は新宿。ディスクユニオン中古館の脇に当時できたばかりの書店、ブックユニオンであった。





「BIBLIOPHILIC(ビブリオフィリック)」の豊富な読書グッズの中に見つけ、長年探し求めていた商品はこれだと直感。すぐさま買って帰った。


感動しました。


本を開く、ブックストッパーでページの隅を挟む。
たったそれだけで長年の悩みがたちまち解決してしまった。
小さいながらそれなりに重量があって大抵の本は押さえられるし、ストッパー部で文字が隠れることもない。麗々しく書かれた“これは便利”の文字に偽りはなかった。


もともと、わたしは本を写したり引用したりするのが好きなのである。
好きな作家の本はとりあえず写してみる奇癖があって、江戸川乱歩の長篇『孤島の鬼』は創元推理文庫版でたしか2回半丸写ししているはずだ。読書の一環として、そういう遊びをするのが好きなのである。
このブックストッパーに出会って以来、引き写したり引用したりするのがますます楽しくなったことは言うまでもない。


そして今日。


ふと「好きな本でも写そうかな」と思い立ち、菊地秀行の『夢見る怪奇男爵』(角川書店)を書棚から抜き出したのだった。
菊地秀行のエッセイや評論はホラーへの深い思いがにじんでいてどれも大好きだ。『魔界シネマ館』もいいが、この『夢見る怪奇男爵』もいい。山村正夫の文庫解説のページを拡げ、クリップでページを挟む。その瞬間――。


あ、壊れた。


さすがに5年も経つとプラスティックが劣化してしまうのであろう。
洗濯ばさみだってしばらく使っていると割れるものなあ。とはいえ壊れた瞬間、ショックのあまり「シェー」の姿勢でばったり倒れ込んだのは、これまた言うまでもあるまい。
ブックストッパーのない人生はもはや考えられないので、早速買ってこようと思います。BIBLIOPHILICのサイトで通販も可能なので、興味のある方はどうぞ。


2017年7月6日木曜日

怪談専門誌『幽』27号発売中!


いつも仕事させてもらっている怪談専門誌『幽』27号がKADOKAWAより発売されました。




今回の特集は山田風太郎。
一般には忍法帖や明治もの、ミステリーのイメージが強い風太郎ですが、実は怪談とも深い関わりがありました。
この特集では風太郎と怪談の関係が、さまざまな視点から紹介されています。
山田風太郎の原作を水木しげるが漫画化、京極夏彦が彩色を施した豪華コラボレーション「大いなる幻術」も復刻掲載。菊池秀行さん、仁木英之さん、花房観音さんのお三方による、忍法帖トリビュート怪談競作も見逃せません。


わたしは例によって読書案内のページを担当。「山田風太郎怪談ブックガイド」と題して、風太郎の怪談系作品を2ページにわたってガイドしました。読書ライフのおともにどうぞ。


それにしても表紙の文字サイズ……明らかにわたしだけランキング外な感じなのですが、大丈夫なんでしょうか? まあ一生にそうあることでもないので、素直に喜んでおきます。ふるふるふる。 





そのほか、特集内では月村了衛さんと東雅夫編集顧問の対談を取材。


特集以外のページでは、新刊ブックレビュー(今回は宮部みゆき『三鬼 三島屋変調百物語四之続』、恒川光太郎『無貌の神』、柴崎友香『かわうそ堀怪談見習い』の3冊を紹介)、加門七海さんへの新刊インタビュー、cocoさん&日高トモキチさん&田中康弘さんの座談会のまとめを担当しております。


ご高覧どんぞよろしくお願いいたします。


2017年7月2日日曜日

6~7月はホラーの当たり月だ!


6月後半。
なぜだかお金がないなあ、とつい財布の底を覗きこんでしまっていたのだが、はたと理由に思い至った。
そうだ。
先月は『定本夢野久作全集2』の支払いがあったのだ。本体価格9000円。国書刊行会に予約注文しているから若干割引にはなっているものの(なるんです)、そりゃあお金が減るわよね。





さて。
月もあらたまったことだし、またまた本を買いに行きましょう。
どういう星の巡り合わせか、この6月、7月はホラーの当たり月なのである。気になる本がバンバン出ている。これからもじゃんじゃん出る。
以下、買おうとおもっている本を備忘録的に列挙しておきたい。


まずは。
朝松健先生の新刊『アシッド・ヴォイド』(アトリエサード/書苑新社)が出ている。
ファン待望のクトゥルー神話短編集で、ジョン・キール的な恐怖に挑んだ「闇に輝くもの」、海外のアンソロジーに発表された「球面三角」、ウィリアム・バロウズに献げた書き下ろし新作など7編を収録。
アトリエサード/書苑新社の本は近所には売っていないんで、近々大型書店まで回収に行かなければ。


そいから。
国産ホラーの俊英、澤村伊智さんの新刊『ししりばの家』(KADOKAWA)はすぐにでも読みたい“家もの”ホラー。いやあ面白そう。


最東対地さんの『♯拡散忌望』(角川ホラー文庫)は、タイトルから察するに衝撃のデビュー作『夜葬』同様に伝染系のホラーかしら。どんな第2作を書かれたのか楽しみです。


郷内心瞳さんの『拝み屋怪談 来たるべき災禍』(角川ホラー文庫)が出ています。
そういえば先日、某社エントランスでばったり郷内さんに出くわしたのだった。彼はあいかわらずジェイソンの黒いTシャツを着てたなあ(笑)。この「拝み屋」シリーズは毎回楽しみに読んでおります。郷内さんといえば『拝み屋異聞 うつろい百物語』(イカロス出版)も出ていますね。


夏が近づいているからか怪談実話は他にも注目作が出ており、平山夢明さん久々の実話本『怪談遺産』(竹書房)、 “里山”にまつわる懐かしいテイストの怪談を蒐集したcocoさん他『里山怪談』(KADOKAWA)はともに入手済み&読了。


フィクションに話を戻すとスティーヴン・キング『ダークタワーⅣ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風』(角川文庫)が『ダークタワーⅣ 魔道士と水晶球(上・下)』(角川文庫)と同時に出ています。
『魔道士と水晶球』は過去に新潮文庫から出ていたものと同内容ですが、『鍵穴を吹き抜ける風』は本邦初訳作品!今回の新装角川文庫版の目玉ともいえる巻で、これは楽しみです。


三津田信三さんの幽霊屋敷ホラー『わざと忌み家を建て棲む』(中央公論新社)は7月19日発売。いわくつくの部屋や家を一軒にまとめて建て直して住んだらどうなるか、というとんでもない話の模様。


そして、これから出る本でいちばん楽しみなのがこれ。
井上雅彦さん『夜会 吸血鬼作品集』(河出書房新社)
これまでありそうでなかった、井上卿の吸血鬼作品傑作集。ああ、どこかの媒体で井上雅彦先生にインタビューさせてくれないものだろうか。


病み上がりでまだリサーチが足りていないのですが、今気になっているのはこのあたり。
怪談じゃないけど小島水青さんらが名作文学を“二次創作”した『名作転生 悪役リメンバー』『名作転生 脇役ロマンス』(学研プラス)も気になります。




2017年7月1日土曜日

青空の悪魔円盤


いやあ、夏風邪をひいてしまって。
しらばくブログを投稿することもできず、臥せっておりました。


大概は寝ていれば一晩で治るんですけどね、今回はなかなか熱が下がらず、小栗虫太郎風にいうなら薬餌から離れられず。お医者に行ってみたところ、血中のなんとかいう数値が高くなっている、どうも何かが炎症を起こしているようだ、という話でした。
「存在しない何かに中毒してしまったらしい」というのは映画『裸のランチ』におけるウィリアム・バロウズの台詞ですが……はだしで錆びた釘でも踏んだかなあ。ぼんやり生きているので、そのくらいのことがあっても気づかない。


昨日あたりからは熱も下がり、平常運転に戻っておりますのでご心配なく。


さて。
6月24日は「UFOの日」でありました。


1874年同日、アメリカ人実業家ケネス・アーノルドがレーニア山上空で9つの白い飛行物体を目撃。目測によれば、物体はひとつ45~50フィート、速度は時速1700マイル(2700キロほど)もあったそうな。
「お皿を水面に投げて、水切りさせたように跳ね飛んでいた」
というアーノルドの目撃証言から、UFOの別称である「フライング・ソーサー(空飛ぶ円盤)」という語が誕生したのはあまりに有名です。
そしてこのアーノルド事件をきっかけに、光を放つ飛行物体が世界各地で目撃されるようになってゆく。
6月24日は「20世紀の神話」であるUFO現象の、まさに発端となった一日なのですね。


今年はアーノルド事件からちょうど70年。
それを記念してカナザワ映画祭2017では、コスモファイル羽咋にて「宇宙怪談大会」が開催されるようだが(これは行きたい!)、このブログとしてもある企画を考えていたのです。
それはおすすめUFO本の紹介記事。


最近わけあって読み返したジョン・リマーの『私は宇宙人にさらわれた!』が抜群に面白かったこともあって、好きなUFO本をまとめて紹介してみたい、という考えが浮かんでいたのですね。
いるかいないかだけでは片づけられない、UFO現象のあやしくもいかがわしい面白さに迫る本をレビューする。そんな記事を24日に公開したいなあと思っていたんですよ。
で、22日の晩あたりから「あれとこれとそれと……」と腹案を練っているうちにみるみる具合が悪くなり、そこから一挙に夏風邪ゾーンに突入。
気づくと24日はすぎておりました。宇宙怪談の祟りかしらねえ。


というわけで。
何ごともなかったようにまたブログを更新してゆきます。
書きたいネタもたまって数日経つと、たちまちトカトントンの吹きだまりに流されてゆきますので、どんどん書いていかなければ。


あ。
本題を忘れていた。
アーノルド事件70周年ということで(そういうことなんだろうと書き手は解釈している)、依頼されてダ・ヴィンチニュース上にUFOがらみの記事を何本か書きました。


・現在公開中の映画『美しい星』との絡みで三島由紀夫のUFO小説『美しい星』をレビューしたもの
https://ddnavi.com/news/373428/a/

・元航空自衛隊パイロット佐藤守氏の新刊『宇宙戦争を告げるUFO 知的生命体が地球人に発した警告』(講談社)のレビュー
https://ddnavi.com/news/377328/a/

・佐藤守氏へのインタビュー
https://ddnavi.com/news/383902/a/





 四人囃子「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」(ライブ)



2017年6月12日月曜日

この週末に買った本


ホラー関連の新刊チェックのため新宿の大型書店へ。
以下の3冊を回収してきた。




ホラーとダークファンタジーの専門誌『ナイトランド・クォータリー』9号(アトリエサード)は、「悪夢と幻影」特集。
怪奇幻想文学とは縁の深い“夢”をテーマに、国内外の作品11編を掲載している。


『NLQ』といえば、ホラーの目利きである牧原勝志編集長による作品選定が最大の魅力。
今回もエドワード・ルーカス・ホワイト、М・P・シールらの古典系作家から、リサ・タトル、アンジェラ・スラッターなどの現代作家まで、かゆいところに手が届くセレクションで楽しませてくれる。
国産ホラー界の新鋭・澤村伊智が短編「夢の行き先」で『NLQ』初登場を果たしているのも嬉しい。
この週末に81ページまで読みましたが、いやあ面白いのなんの。1700円+税のもとは十分とれるので、怪奇幻想小説ファンはぜひお手元に。





ところでこれは余談なのだが。
「ルクンド」のE・L・ホワイトって「ジャンビー」のH・S・ホワイトヘッドとよくごっちゃになりません? わたしだけ? だって名前が似てるし、作風も若干かぶるし。しかも『NLQ』の作品解説によれば、ホワイトヘッドはホワイトを高く評価していたらしい。ホワイトヘッドの「唇」はホワイトの「ルクンド」を踏まえており、ホワイトの「アーミナ」の続編を企図したようにも読めるのがホワイトヘッドの「チャドボーン奇談」で……。ああ、ますますごっちゃになってきた!



黒木あるじ『怪談実話 終』(竹書房文庫)は、2010年刊の『怪談実話 叫』以来書き継がれてきた人気シリーズの最終巻。
あとがきによれば、一旦は怪談実話から離れることになるらしい。「これまでとはやや異なる視点で怪談にアプローチしたい」ということなので、黒木さんの今後の動向に注目である。





皿井垂『トラウマ日曜洋画劇場』(彩図社)は、1970~80年代にかけてテレビの洋画劇場で放映された映画49本をレビューしたもの。
この手のB級映画ガイドは見かけるとつい買ってしまうが、ジャンルや監督、制作年代ではなしに、「洋画劇場」というくくりで紹介しているのが新しい。


たとえば第三章「水曜ロードショー」では、『午後の曳航』『世界残酷物語』『ウィークエンド』『ダラスの熱い日』『恐怖のメロディ』『狼男アメリカン』『ウィラード』『ドラゴンへの道』『カサンドラ・クロス』の9本が取り上げられており、 ホラーとエロスとバイオレンスが混然一体となった、往年の洋画劇場の熱気を伝えてくれる。


『ヘルハウス』を「お化け屋敷映画の高尾山」に喩えたり、『カサンドラ・クロス』を「北大路魯山人の器にすき家の牛丼をよそって食べたような、不思議な気分が味わえる作品」と評したり、という作品への愛と知識に裏うちされた文章も楽しい。これは名著でありましょう。




そうこうしてたら椰月美智子さん『消えてなくなっても』(角川文庫)も届きました。
同じ本が2冊。なぜ?
答えは文庫版の解説を書かせてもらったから。
単行本刊行時、著者の椰月さんにインタビューする機会があり、そのご縁で文庫解説にもお声がけいただきました。


わたしが解説を書いていることからも分かるとおり、『消えてなくなっても』は椰月さんの作品にしては珍しい怪談&ファンタジー寄りの作品。それが椰月ワールドに特有の手ざわりとどう関わっているか、そのあたりを書いてみました。






2017年6月1日木曜日

お送りいただいた本


こんばんは、朝宮運河です。
シャンソンのステージからお届けしております。窓の外には蝙蝠が飛び、鬼火が舞い、覆面パトカーが走り回っておりますが……ほほほ……(拍手)。まず今夜は、皆さまからお送りいただいた素敵な本を、いくつか紹介させていただきます。


●牧野修『こどもつかい』(講談社タイガ)




著者の牧野さんよりお送りいただきました。清水崇監督の同名ホラー映画のノヴェライズ作品でございます。映画も小説も愉しみでございます。今日まで少々忙しかったので、まだ読めていないのですが、こうしてホラー小説をお送りいただく方がいる、しかもそれが大好きな牧野修さんであるというのは、ありがたいことでございます。シャンソン歌手冥利に尽きるというものでございます(拍手)。


●高橋葉介『夢幻紳士 怪奇編 愛蔵版』(早川書房)



早川書房よりお送りいただきました。『夢幻紳士』シリーズはわたくし、大好きな作品でございまして。『夢幻紳士』シリーズ、とりわけ「怪奇編」は『怪奇小説傑作集』や『こわい話・気味の悪い話』などの古風な英米怪奇小説と、岡本綺堂の怪談のムードをミックスしたような、ロマンと香気あふるる傑作でございます。
今回刊行されたのは、書き下ろしを含む愛蔵版でございまして。怪奇探偵夢幻魔実也氏の新しい事件を読むことができ、たいへんに嬉しかったのでございます(拍手)。


それではお聞きください。
今夜の一曲目、まずは「メケ・メケ」から……(罵声怒号)。


【『朝宮運河全曲集 これがシャンソンや!.』ブックレットより抜粋】





2017年5月29日月曜日

お風呂で読書 (第1回)


風呂で読むのにぴったりの本は何か?


それがここしばらく私の頭を悩ませている天下の一大問題である。
気ぜわしい日々を締めくくる夜のリラックスタイム、入浴。
多くの本好きの例にもれず、私は浴室に本を持ちこむことにしているのだが、さて、この風呂で読む本のセレクトというのが難しい。


お風呂に入ろうと思ってからたっぷり5分。半裸のまま書棚の間を徘徊して、本の山をどけたり崩したり。これでもない、あれでもないと、リラックスするためにたいへんな汗を流すことになる。
この悩ましさ、何かに似ていると思ったらあれだ。旅行先に持っていく文庫本を悩むのに似ているのだった。「NO、これじゃない!」と思っても交換できないから、毎晩が真剣勝負である。


そんな感じで悩んでいるうちに、これはお風呂向きじゃないなという本の系統が少しずつ明らかになってきた。
たとえばシリアスな純文学系は緊張するから国内外を問わず×。
人文系の評論・研究書も頭がこんぐらがるので避けたい。
ではエンタメ小説ならいいのかといえば、そうでもない。新しい物語に入りこむには意外とパワーが必要なのだ。
仕事の資料やゲラももちろん×。
好きな作家や普段なら積極的に読もうという気になる本(たとえば海外のモダンホラー)でも、「風呂場」という関所をなかなか突破できないのが面白い。


じゃあ、どんな本ならいいのか。
具体的にここ数日、お風呂で読んだ本を思い返してみる。


●5月28日(日):田中真知『理想郷シャンバラ』(学研)

中央アジアに存在するとされる理想郷シャンバラについて述べた本。レーリヒ、オッセンドウスキー、ヒトラーとこの手の本に出てくる話題をコンパクトにまとめており、今読み返しても良書。チベット仏教僧侶2名へのインタビューも貴重。




●5月27日(土):矢追純一『これが宇宙人(イーバ)との密約だ』(KKベストセラーズ)

この頃は楽しかったなあ。UFO研究史においてMJ-12関連の出来事というのはまあ、ひとつの大きな迂回路だったのだろうけども、UFO墜落、宇宙人による誘拐、家畜虐殺、政府と異星人の密約、という都市伝説みたいな情報がゴロゴロ出てきて、1980年代末期のUFO本は一種あぶない面白さがあった。
そう思ったのは大人になってからで、小学6年当時はわけが分からないまま市立図書館でドキドキしながら借りていたのですが。この本は「イーバ」という響きが、実に禍々しくてよかったね。
 



●5月27日(金):リチャード・C・ホーグランド『〈火星〉人面像の謎』(二見書房)

1976年、アメリカの火星探査船バイキング1号が撮影した、いわゆる「火星の人面岩」に関するノンフィクション。これも好きだったなあ。宇宙空間を見上げる巨大な人面の大岩、というSFチックなビジョンにたまらなくワクワクさせられた。
初版が1990年だから、上記矢追さんの本の1年後。MJ-12と人面岩はほぼ同時期のブームだったんですね。そういや、人面魚とかも同じ頃か。




うーむ。
地底王国シャンバラにMJ-12、火星の人面岩……。新書版のオカルト本ばかりではないか。
これだと「風呂で読むならオカルト本」という普遍性のなさすぎる結論が出てしまう。入浴時にぴったりの本を探り当てて、ビジネス書を書いてベストセラーにするつもりでいたのに……。


ほかに共通項をさぐるなら「どれも古本屋の100円ワゴンで売ってそう」ということだが、そこはたぶん関係ない。おそらく重要なポイントは、どれも再読本であるということだろう。だいぶ前に読んで面白かった記憶はあるものの、内容をよく覚えていない本。
もちろんそれ以外にも新書版であるとか、さらっと読みやすい文体で書かれているとか、途中でやめても先が気にならないとか、いろいろ要因はあるだろう。


果たして風呂で読むのにぴったりの本は何か?
これからも折に触れて研究していきたい。



2017年5月28日日曜日

【お仕事紹介】『本の旅人』6月号で武内涼さん×高橋敏夫さんの対談を取材


引き続きお仕事の紹介である。
KADOKAWAのPR誌『本の旅人』6月号にて、武内涼さんと高橋敏夫さんの対談を取材した。
武内さんの新作時代小説『暗殺者、野風』(KADOKAWA)の刊行記念対談である。


(左上にあるのは、武内さんのデビュー作『忍びの森』。妖怪×忍者!)




早稲田大学教授・文芸評論家の高橋さんは、武内さんの大学時代の恩師。
お互いをよく知るだけ間柄に、秘蔵エピソードがたくさん飛び出す和気あいあいの子弟対談となった。「伝奇」と「歴史」の距離について興味深い議論がなされているので、武内さんのファンはもちろん、時代小説好きも要チェック!この記事は『本の旅人』電子版でも読めるはずです。




古よりいかなる武士団にも属さず、中立を保ってきた暗殺者集落「隠り水の里」。戦によって両親を失った少女・野風は、その里で卓越した暗殺者へと成長してゆく。
『暗殺者、野風』は川中島の合戦を背景に超人的暗殺者たちの死闘を描いたエンターテインメント時代小説で、闇にうごめく者たちの姿がなんともカッコいい快作!




2017年5月25日木曜日

【お仕事紹介】『青春と読書』6月号で今野敏さんにインタビュー


集英社のPR誌『青春と読書』6月号が届きました。
今野敏さんに最新長篇『アンカー』(集英社)についてインタビューさせていただいています。




『アンカー』は報道番組ニュースイレブンの名物記者・布施京一の活躍を描いた報道ミステリー。シリーズ4本目となる今作では、布施が未解決のまま10年が経過している大学生刺殺事件に注目。番組で取り上げるようデスクの鳩村に求めます。スクープ記者の布施が一見ニュースバリューのなさそうなこの事件にこだわるのはなぜか?
スピーディな物語展開のなかに、報道の抱えるさまざまな矛盾をえぐった迫真の社会派エンターテインメントに仕上がっています。


今回のインタビューでは新キャラクター栃本誕生の経緯から、今野さんのジャーナリズム論まで幅広く語っていただきました。今野敏ファンのみなさんはぜひご一読を。ネットでも読めるんだそうですのよ。ちなみに取材場所は今野さんのお仕事場。四方の壁が書棚で埋まり、仕事机のそばにギターが数本並んだ素敵な空間でした。


本日、集英社より『アンカー』現物もお送りいただきました。5月30日発売です。