♪♪サテンの黒いマントなびかせ
ラヴクラフトのスタイル
永遠の命もてあそぶ
(ザ・ファントムギフト『ヴァンピールの森』)
というわけで、「幻視者のためのホラー&ダークファンタジー専門誌」
『ナイトランド』vol.1がついに発売されました。
海外ホラーの翻訳、最近はあまり文庫でも出なくなりましたからね。
キング、クーンツ、あとはF・P・ウィルスンが出るくらいで。
いま向うにはどんな作家がいるのか!?と気になっていた私のような人間にはまさに干天の慈雨。
これを機会にまたじゃんじゃん盛りあがって欲しいものです。
で、気になる内容はといえば特集が「ラヴクラフトを継ぐものたち」。
版元であるライデントハウスの紹介文によりますと、英国の「レインフォール」という冊子形態のアンソロジーを翻訳したもののようです。
また、R・E・ハワードの「矮人族」、ラムジー・キャンベル「コールド・プリント」を「名作発掘」として紹介。ラムジー(ラムゼイ)・キャンベルは評価が高いわりにはなかなか邦訳が出ない作家ですからね。これは嬉しい。そろそろ傑作短篇集でも出ないもんでしょうか。
ほかにも、朝松健の連載小説「The Faceless City」、コリーン・ウィルソンのエッセイ「魔道書ネクロノミコン 捏造の起源」、朱鷺田祐介「金色の蜜蜂酒を飲みながら(1) クトゥルフ神話とゲームの周辺」、森瀬稜「クトゥルー・インフォメーション(日本篇)」、マット・カーペンター「クトゥルー・インフォメーション(海外篇)」と、総じてクトゥルー濃度は高め。
エッセイ、連載コラム、リレーエッセイなども充実。いずれも怪奇党には嬉しい顔ぶれです。黄金時代よ、カムバック!
取り扱い書店はこちらを参照。わたしは先日の大嵐の中、まんだらけ中野店で入手しました。中野だとかなり目立つところに置いてあります。
税込1785円と雑誌にしてはちょっと割高ではありますが、入手困難になってから古書店巡りをする苦労を考えたら思い切って買うが吉でありましょう。
個人的な思い出ですが、大学時代ホラーとヘヴィメタを愛する同級生にとつぜん「ねえ、朝宮くん。君のもってる『ホラーウェイヴ』の創刊号、定価でいいから売ってくれない?」と真剣な顔で頼まれたことがあります。書店でたまたま『ホラーウェイヴ』2号を見つけ、創刊号も欲しくなったらしい。申し訳ないけどお断りしました。
書籍に競べて、とかく雑誌はこういう事態になりがちですので、どうぞお早めに。もちろん、通信販売でも買えるようです。
●オマケ画像
ラムジー・キャンベル邦訳書2冊『母親を喰った人形』『無名恐怖』
(前者はどう考えても異常なタイトルだ!!)
0 件のコメント:
コメントを投稿