2017年9月18日月曜日

魅惑のルート4126


秋休みをとって静岡の伊東温泉に行ってきた。
伊東にゆくならハトヤ。
というわけで、野坂昭如のコマーシャルソングでおなじみ、ハトヤに宿泊してきたのだ。



 
 ハトヤは国鉄の伊東駅前から車で5分ほど。山すそに建つ巨大な温泉ホテルである。
往年のテレビCMが言うところの「近代建築の粋を集めたデラックスな」造りはほぼ当時のまま残されており、すなわち外観も内装も昭和レトロ感が満載。めくるめくタイムスリップ気分を味わえる。






とりわけフォトジェニックなのが、本館と別館をつなぐ渡り廊下であろう。ご覧のとおり、これはほとんど特撮映画のワープ場面で、嬉しくてつい何度も駆けまわってしまった。うわーい。




(外から見るとこんな感じ)


オフシーズンの平日ということもあって宿泊客はさほど多くなく(ほとんどいないと言ったほうがよいか)、迷路のように巨大なホテルをほぼ独占状態。
大浴場の帰りにちょっと人気のない廊下に足を踏み入れてみたりして、『シャイニング』ごっこを楽しむこともできた。誰もいない温泉ホテルの宴会場というのは、夜覗くとゾクゾクするものである。
温泉は熱くて気持ちがいいし、遊戯コーナーにはピンポン台があったし、可愛いハトグッズもたくさん売っているし、大満足のお宿でした。ぜひまた泊まりたい。




翌日は城ヶ崎海岸を見物。
長い吊り橋と灯台で有名な景勝地であるが、その橋が目に入ったとたん思わず「おやややや」と声をあげてしまった。


白石晃士監督に『オカルト』という作品がある。異界からの声に人生を左右された貧しいフリーター青年を、監督が密着取材で追いかけたフェイク・ドキュメンタリーの傑作だ。劇中で一連の出来事のきっかけとなったのが、観光地で起こった通り魔事件。そのロケ地がまさにここ、城ヶ崎海岸だったんですねえ。


(映画でおなじみの吊り橋)

 
吊り橋と岩場の位置関係、異様な気がするほど真っ青な海原など、ロケ地だから当たり前だが映画のとおりである。『オカルト』が大好きなわたしは大いに感動。
そういえば劇中では「妙ヶ崎海岸」と呼ばれていたので即座にピンときそうなものだが、地球の地理に疎いわたしは現地に行くまで気づかなかったのである。
吊り橋ではもちろん「江野祥平ごっっこ」をして遊びました。白石くん、奇跡やで。




続いて伊豆シャボテン公園まで。
この公園はなぜかマヤ・アステカ文明遺跡のレプリカをいっぱい展示しており、『ムー』っぽい雰囲気でにわかにテンションがあがる。






各国のサボテンをたくさん観賞できるほか、カピバラやカンガルーに餌をあげたり、利口な動物のショーを見たり、リスザルのいる島にボートで上陸できたり、ゴーカートに乗れたりし、レストランにはサボテンカレーなんていうメニューもあったりして、大人も子どもも一日楽しめる。もちろん『ムー』は読んでいなくとも大丈夫だ。
で。ふと遠くに目をやるとそこに……ヒドラがいた。




そうだ。
伊豆大室山といえば『ウルトラマン』第20話「恐怖のルート87」の舞台。科特隊のメンバーが大室山をリフトで登るシーンがあったけれど、作中に出てくる高原竜ヒドラの像は、ここシャボテン公園で撮られていたのである。これまた現物を見るまで気がつかず。
像の中はトンネルになっていて、エピソードを紹介するパネルが貼られていました。


というわけで。
妙にホラーや特撮やオカルトにつきまとわれた小旅行であったが、いちばん驚いたのは今回借りたレンタカーに「MDデッキ」がついていたこと、であろうか。
無念!知っていたらMDをいっぱい持参したのに。




 (シャボテン公園で作った寄せ植え)



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