2018年2月7日水曜日

怪老人日乗:2月6日(火)

快晴。
早起きするためにリビングで寝たのに、時計を見ると9時半である。あらら。朝食とって取材の支度。他の同業者がどの程度、取材の下準備に時間をかけるか知らないが、わたしはわりと多めに時間をとる方だと思う。なので取材当日はだいたいそれで埋まる。


ゲラ何度か読み返した後、質問項目をまとめて都心に出発。16時より飯田橋K社にて、某ミステリー作家さんのインタビュー取材。1時間ほどで滞りなく終了。その後、ブックオフをあいまいに眺めた後(飯田橋には息抜きになる古本屋がない)、拳銃片手にコーヒー屋に立てこもって遅れていた原稿1本、あらかた書いて時計見ると21時。お夕飯を外で済ませて、電車で帰宅したら23時すぎ。夜になると立川行きの総武線とか、日中あまり見ることがない電車が走ってくるのが面白いネ。


さて。
数日前から家族が関西に帰省しており、しばしのひとり暮らしである。スティーヴン・キングの『ミスター・メルセデス』では退職刑事ビル・ホッジスが妻子に去られ、昼間っから見たくもないテレビを眺めてビールを飲んでいる、という切ないシーンがあるが、今のわたしの暮らしも限りなくあれに近い。よくもまあ独身時代、10年以上もひとり暮らしをやっていたもんだ。我ながら信じられないことである。
たちまち部屋は散らかり、昼夜は逆転し、食生活も乱れがちになる。気晴らしといえばレンタルしてきた『超ムーの世界』のDVDを見るくらいで、あとは音楽を聴いて寝っ転がっている。『超ムーの世界』によれば、アメリカでは人を馬鹿にするウイルスが発見されたという。方向感覚や集中力に影響を与えるというから、どうもわたしはそれに感染していると思しい。


そんなわたしにもお仕事を依頼してくれる編集さんはいるので、鈴木光司さんの短編集『樹海』の文庫版(文春文庫)が届いた。こちらに巻末解説を寄稿している。そろそろ書店に並んでいると思われるので、興味のある方はぜひご一読下さい。




で。深夜2時半まで仕事。小さな〆切4つの特異日だったが、当然終わるわけもなし。2つ書くのがせいいっぱい。作業のおともはトラピストバタークッキー。郷里函館の銘菓である。修道院で作られている混じりっけなしのクッキーで、素朴ながらバターの風味が強く、子どもの頃はこれを囓りながら牛乳を飲むのが好きだった。
先日、ご夫婦で上京してきた郷里の心霊マニアI君にお土産でもらったもの。I君夫妻とは井の頭公園内のタイ料理屋で夕飯とりつつ、『稲川淳二 恐怖の現場』の神回はどれか?という答えのない会話で盛りあがったのだった。彼にいわせると「四国編は必見の作」らしい。「怪談テラーズ」という心霊番組も面白いそうだが、うちはケーブルテレビに入っていないので見られず。




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