2018年3月10日土曜日

怪老人日乗:3月9日(金)


終日小雨が降ったりやんだり。その分気温は高いというが、わたしは鈍感なので分かりません。


午前、すこし子どもと遊んでから自室で仕事。といっても何をしていたのか記憶がないのだ。おかしいなあ。確定申告は9割方終了。こんなにスムーズに進んでいいのだろうか。3月15日の明け方に泣きながら作業するのが毎年恒例となっていたため、間に合いそうだとなんだか落ち着かない。焦るのが好きなのだろう。そうこうしてたらお昼時。カレー粉で炒めた玉葱、ソーセージをホットドック用のパンにはさんで食べる。ピーナッツバターを塗ってバナナをはさんだのも食べる。コーヒーを飲む。


午後、傘をさして取材へ。中野で途中下車し、駆け足で古本をチェックする。買い逃して探していたブルーノ・シュルツ『シュルツ全小説』(平凡社ライブラリー)、その他購入。4階のまんだらけは最近また、UFOの本が増えた気がする。先日は2巻だけ持っていた高倉克祐『世界はこうしてだまされた さらばUFO神話』(悠飛社)の1巻をついに購入。しかしジョン・キールの『UFO超地球人説』だけは何回行ってもない。


夕方から飯田橋K社にて取材1本。滞りなく済んで、外で夕ご飯。カウンターだけの定食屋に入ると、店のおばあさんが「わたしの信仰している仏教は、本当の仏教です」とお客と何やら話している。「あなたのお友達は新興宗教といって笑うかもしれませんけど」。言うことの割に、妙に表情の乏しいおばあさんである。その横で黙々と調理しているおじいさんも生気がない。なんだかへんてこな気分になって、そそくさとカツカレーを食べて帰った。暗い雰囲気の店だった。


『ダ・ヴィンチ』4月号届く。山白朝子さんに新刊『私の頭が正常であったなら』(KADOKAWA)について2ページにわたりインタビューしている。
同書は『幽』『Mei 冥』などに掲載された現代もののホラー&幻想小説を収めた短編集である。先の震災で妻子を失った男が主人公の「トランシーバー」は、何度読んでも感涙の作。書き下ろし「おやすみなさい子どもたち」は天使が出てくるファンタジーで、登場人物名は映画『ミツバチのささやき』に由来するという(紙幅の都合上、記事には入れられなかった事実)。
全体のテイストとしては第一短編集『死者のための音楽』に近いが、ユーモラスな味もあり、バラエティに富んでいて全作もれなく楽しめる。著者の「お友達」である乙一さんの『GOTH』あたりが好きな人にも熱烈推奨だ。




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